ずいぶんお久しぶりの投稿になってしまいました。
今日は最近のアートのお話です。
江口ともこ展
平塚市の画家の江口さんの個展に行ってきた……というよりお手伝いをしていました。搬入と展示の。
今回の個展のテーマは「界面」でした。「界面」というのは、境目みたい意味ですね。
個人的に、会場の冒頭に掲げてあった文章が好きでした。(以下のFBの投稿に書いてあります)
境界が芸術で、クリエイティブだというのはなるほど!と思いましたし、定まったものは面白くないというのは非常に共感します。
最近読んでいた本で「共感革命」という本があるのですが、その中で「あいだ」(バッファー)が大事というような趣旨のことが書いてあります。
科学ではAとBには明確な境があるように考えますが、実際はAとBには明確な境がなく、「あいだ」があります。AはBでもあるし、BはAでもあるという一種のグレーゾーンがあるのです。
そして、そこにこそ生物の豊かさがあるのではないかというわけです。
二次元の社会ではコスプレを楽しむ人もいますが、あれもAという人がBというキャラになりきるという(でもBではない)、「あいだ」を楽しむクリエイティブです。AはBでもあるのです。
この「あいだ」、グレーゾーンにいると、人は想像力をかき立てられるのではないかと私は思います。この想像力こそが芸術、アート、クリエイティブの源なのではないか。
今回の江口さんの個展のテーマであった「界面」も、似たようなことを言っているのではないかと感じました。
山々プロジェクト「自分を探して見つめて歩く」
こちらは打って変わって舞台です。
私の持ちキャラ(?)のWゆきの声を演じていただいているしほんさんが出演されている舞台です。
見てからだいぶ経ってからの感想になってしまって、申し訳ないのですが……。
今までて見てきた会場と違い、レンタルスペースみたいなところだったので、演出が面白かったです。こんなのもあるんだ〜と思いました。
内容としては色々な夢を追う人たちの岐路を描いていて、オムニバス的に、でも同時並行的にそれが一つの舞台で展開されるというものでした。
これがやりたいという夢があることは幸せだと私は思いますが、一方でそれゆえにぶつかる壁もある。逆に夢がないことが悩みのタネになることもある。あるいはやりたくないことはハッキリとあるけど、やりたいことはおぼろげにしかないとか。
色んな人がそりゃいるよな〜と思いました。
個人的に印象に残ったのは、リポーターのお話の部分です。最初は地方のリポーターだったのが、本気で笑えてないというのが理由でクビになり、海外ロケのリポーターになって、最終的にスタッフさんとはぐれて見知らぬ場所で1人彷徨うという、ある意味一番ストーリーがダイナミックだったのもあるんですが、最後の空はどこで見ても同じなんだというのに気づくというのが、なんか良いなと思いました。
絶望した先に希望を発見する。その希望は決して突飛な希少なものではなく、私たちが見ているのに見ていないものだったというのが、なんかグッときました。
しほんさんは関西出身の方なのですが、本場の関西弁が活かされていました。大阪と広島の方言による言い合いはすごかったです。そして、何度か行われる相撲が面白かったです(笑)
タイトルにある通り、夢を追おうが、追うまいが、夢があろうが、なかろうが、結局は自分を見つめながら、歩いていくしかないんだなと改めて思いました。
小田原もあ展
これは昨日行ったものです。
小田原城の近くにある、新しくできた「小田原三の丸ホール」の展示室で行われています。明日まで!
面白かった作品を写真に撮ってきたのでのせます。(撮影オッケーでした)

見る角度によって見え方が変わるのが面白かったです。タイトルがSpace outだったと思いますが、たしかに宇宙感を最初に見たときに感じました。スペースはこれだけなのに、どこから見るか、そしてそこから何を想像するかで、本当に宇宙が広がるような印象を受けました。

最初何事かと思いました(笑)
近づいて、あ、これヒトガタになってるんだと思って、おもしろ~いと思いました。周りがどんぐりなのは、可愛さもあって。この作品はなんていうかエネルギーがあるな~と感じました。たぶん森にあるものから出来てるからかなとも思いますが、壁にまで足がかかってるのもポイントかもしれません。

この作品も面白いですよね。cosmosなので宇宙的なイメージのタイトルですが、撮られているものは人工物です。
でも人工物だけれど、決して画一的ではないし、今の状態もバラバラです。秩序だっているようで無秩序なのです。でも発散されている無秩序さでもないのですよね。これになんだか宇宙的な物事の本質、原理を感じました。

この作品は写真だと(私がド素人なので苦笑)良さが伝わらないのですけど、エネルギーがすごかったです。
大きめの作品なので上まで見ると見上げる感じになるんですけど、何ていうか根っこから水を吸い上げて、花を咲かせたり、葉っぱが生やすぞという木の強い意志がそこにありました。小田原城を展示を見る前に見に行っていたのですが、小田原城より威厳を感じました。

木の細い棒がテグスで不安定にゆらゆらと揺れているのが、自分の感情とリンクしている感じがして印象的でした。
でも人間の心って、本当はこんなふうに色んなものがもつれて、不安定なんじゃないかという気もします。
逆にもつれてなくて、一直線だなっているときは危険なような感じもするんです。不安定なのは悪いようなイメージもありますが、必ずしも悪いことばかりでもないんじゃないかななどと考えました。
アートのある空間は、オレンジ色のイメージがあります。暖かい空間で、人を安心させる力があると思います。東京とかでやっている大きな美術館だと人が多かったりして、なかなかゆっくりできませんが、意外と展覧会とかは各地で行われているので、ゆっくりできる場所で、じっくり見てみるのもおすすめですよ。